行政書士
学習期間:6ヶ月
市民と官公署とをつなぐ法務と実務のスペシャリストです。
行政書士とは
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、以下に掲げる事務を業とすることとされています。ただし、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができません。
(1) 官公署に提出する書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成すること
(2) 官公署に提出する書類について、その提出の手続及び当該官公署に提出する許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法第72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く)について代理すること
(3) 行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること
(4) 契約その他に関する書類を代理人として作成すること
(5) 行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること※ 上記のうち(1)の業務は、行政書士又は行政書士法人でない者は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、業として行うことはできません。
※ 上記のうち(3)の業務は、日本行政書士会連合会がその会則で定めるところにより実施する研修の課程を修了した行政書士(特定行政書士)に限り、行うことができます。
※ 行政書士法人は、上記(1)、(2)、(4)、(5)の業務のほか、定款で定めるところにより、行政書士が行うことができる業務のうちこれらに準ずるものとして総務省令で定める業務(業務を行うことができる行政書士に関し法令上の制限がある場合には、社員のうちに当該業務を行うことができる行政書士がある行政書士法人に限る。)及び(3)の業務(社員のうちに当該業務を行うことができる行政書士がある行政書士法人に限る。)を行うことができます。引用:総務省
行政書士を取る方法
行政書士となるには、行政書士試験に合格するなど、一定の資格を得た上で、各都道府県の行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会の登録を受けることが必要です。
◆ 行政書士となる資格を有する者
(1) 行政書士試験に合格した者
(2) 弁護士となる資格を有する者
(3) 弁理士となる資格を有する者
(4) 公認会計士となる資格を有する者
(5) 税理士となる資格を有する者
(6) 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び特定独立行政法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上(学校教育法による高等学校を卒業した者などにあっては17年以上)になる者※ 登録を受けた行政書士が共同して行政書士法人を設立した場合も、各都道府県の行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会に届け出る必要があります。
引用:総務省
行政書士試験自体は年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。
行政書士の難易度・評価
近年の行政書士の合格率は10~15%ほどと、高くはありません。しかし、行政書士試験には受験資格がないため記念受験の方も一定数含まれることから、合格率に左右されずに準備をすれば合格が目指せる法律系国家資格です。
しかし、出題範囲は憲法、行政法、民法、商法及び基礎法学など、同じ国家資格である宅建士より法律・法令の出題範囲が広いので、宅建士より準備期間が必要だという認識が必要でしょう。
行政書士の学習方法
行政書士試験の試験範囲は、以下の通りです。
「行政書士の業務に関し必要な法令等」(出題数46題)
憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題し、法令については、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題します。
「行政書士の業務に関連する一般知識等」(出題数14題)
政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解
試験は筆記試験によって行います。出題の形式は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式及び記述式、「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式とします。
このように、法律系科目と一般教養の問題が出題されます。また、法令に関する出題では記述式の回答が必要な問題もありますので、中途半端な知識定着では合格が難しい試験と言えます。幅広い法律の知識が必要になります。
この出題範囲は、実は公務員試験とかなり重複しています。そのため、公務員試験と合わせて受験するという方も一定数います。
学習方法としては、法律系科目は、まず憲法と民法をしっかり知識定着させてから各法律科目の学習をすると効率がいいでしょう。過去問で傾向をつかみ、問題集をコツコツを繰り返しながら知識定着を図りましょう。記述式試験は法令の知識はもちろん読解力と記述力が必要になりますので、こちらも過去問を複数回解き、対策しましょう。
また、法令の改正にも対応する必要があります。そのため独学では難しいと感じ、通信や通学での学習を選ぶ人も多いです。
行政書士を取得するメリット
就職・転職に有利
行政書士は業務独占資格の国家資格。その為法律の知識を持っていることの証明になり、就・転職の際に有利です。
行政書士の資格を持つ方は日々変化する法律に対応できる知識を身に着けた人材として、幅広い業種の企業に求められています。
独立開業できる
「街の法律家」と評される行政書士。
資格があれば、行政書士登録をして開業が可能です。
自宅を事務所にすることも認められているので、少ない資金でも開業出来るのです。
法律の知識が身にき、そのまま他資格も狙いやすい
行政書士が持つ知識はその他の法律系資格の基礎となる為、ステップアップに最適な資格です。 例えば、司法書士や宅地建物取引士などと試験科目が一部重複しています。
その他、行政書士登録により弁理士試験の科目免除など、他ライセンスの取得も目指しやすいといえるでしょう。
一度資格を取ってしまえば生涯有効な資格なので、幅広い世代から人気の資格です。
行政書士の仕事内容
行政書士は様々な書類の作成・相談や手続きの代理などを業務として行っています。その数、数千~数万種類とも。大まかに分類すると以下の通りとなります。
Ⅰ 独占業務
1 官公署に提出する書類の作成
2 権利義務に関する書類の作成
3 事実証明に関する書類の作成 上記の書類作成に係る代理・相談業務。
Ⅱ 共同法定業務
他士業法でその仕業者の独占業務と明記されているもの以外の書類の作成など。
行政書士のやりがい
責任が重い業務も多いが、それだけにやり遂げたときは達成感が得られます。
他の法律系仕業と比べると相談しやすいイメージがあり、相談者に感謝されることが多いです。
仕事内容が多岐に渡る行政書士は、キャリアを重ねながら自分の得意分野を絞ってその道の専門家を目指すことが出来るため、働きながらのステップアップが可能です。
行政書士の適正があるのはこんな人
- 粘り強く、几帳面な性格だ
- 公務員試験に挑戦したことがある
- 人の話を聞くことが得意、好きだ
- 営業力・コミュニケーション力に自信がある
行政書士は公務員試験と並行して受験する方もいるほど出題範囲が似ています。
一方行政書士の実務では依頼者の要望に合わせて業務を行うので相手の話を聞き取る力も必要です。
また、独立開業を目指す場合はそれに加えて営業力も必要になります。
行政書士の給料、年収
【求人先】
◎正社員 年収:308万~840万円以上
【バイト求人先】
◎パート職員 時給:1,100円~1,500円
受験者の口コミ
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行政書士試験当日の注意
- 受験日・受験会場の確認
- 択一式・記述式ともにある試験
- 試験時間は3時間、昨年度は午後に実施
- 鉛筆・消しゴム・受験票・腕時計の用意
- 必要に応じ上履きやひざ掛けなどを持参
- 時間に余裕を持った行動
行政書士試験は11月の年1回しか試験がありません。受験日や受験会場を間違えないようにしましょう。風邪をひきやすい時期ですが、ひざ掛けやマスク、ティッシュ等の持ち込みは認められていますので必要に応じて持参し試験監督の許可を仰ぎます。択一式・記述式ともにある試験なので、特に鉛筆(またはシャープペンシル)の複数本の用意をしておくと安心です。試験時間は3時間で、会場に時計の準備がないので、必ず時計を持参してください。
また、会場によっては上履きが必要なこともあります。準備をしておくと安心です。時間に余裕をもった行動を心がけ、平常心で試験に臨みましょう!
資格情報まとめ
資格・試験名 | 行政書士 |
---|---|
主催団体 | 行政書士試験研究センター |
試験区分 | 国家資格 |
試験日程 | 年1回(11月第2日曜日) |
受検料 | 7,000円 |
申込期間 | 7月下旬~8月下旬 |
試験会場 | 全国の試験会場 |
試験ランク | なし |
受験資格 | なし |
合格率 | 10~15%程度 |
出題形式 | 行政書士の業務に関し必要な法令等科目(46問) 選択問題と記述式 行政書士の業務に関連する一般知識等科目(14問) |
出題範囲 | 「行政書士の業務に関し必要な法令等」(出題数46題) 憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学 「行政書士の業務に関連する一般知識等」(出題数14題) |
合否基準 | 次の要件のいずれも満たした者を合格とする。
(1) 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者 |
結果発表 | 試験日翌々月 |
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